その日はずっと奇妙な気分で、それは夜にベッドに入っても続いたのです。
突然、隣の部屋からガチャンと音がして、魔法の国の夢から醒めます。心臓がバクバクしています。
ベッドの中でまっすぐ座ったまま、暗闇に目が慣れてきたので煖炉の炉棚にある変わった木のシンボルを見ていると、また奇妙な気分がしてきます。何かに呼ばれているような...
何だろうと、ランプを付けて起き上がり、自分を起こした音の方へ向かいます。ここは伯父さんの家で、何度も来たことがあったのに、突然知らない場所のような感じがしてきます。
部屋には、とても変わっていて面白い品々、どことは叔父は言わないけれど旅先から持ち帰った土産物が散乱しています。床の上には小さなタイル張りの箱があり、壊れて開いています。その中に収まった紙を開くと、シンボルが書かれています。
煖炉だ!
走って寝室に戻り、紙に書かれたシンボルを再びよく見ます。炉棚の木彫りのシンボルと完全にマッチしますが、並び方が違います...
興奮して震える手を素早く動かし、木のシンボルを紙と同じように並べかえていきます。シンボルが次々と各場所に入るカチッという音を聞きながら、完成させます。
突然、煖炉から黄金の太陽ビームが炸裂し、部屋の暗闇を切り裂きます。息をのんでのけぞりながらも煖炉をのぞくと、あちら側には、夢に出ていていた美しい魔法の国が広がっています。畏敬の念で大きく目を見開いてそれを見つめます。
深く息をして、中に入り、もうひとつの世界への第一歩を進めます。